音楽の教科書にのったゲーム音楽


音楽の教科書にのったゲーム音楽diceworksゲーム音楽は、そのクオリティの高さにもかかわらず、作品も作曲者自体も長いこと冷遇されてきた。その価値が評価されるようになったのは、わりと最近のこと。

前回述べたように、ゲーム音楽専門の演奏をするオーケストラが現れたり、かなり古い曲が現代の技術で再アレンジされてリリースされたりして、ゆるやかにリバイバルが起っている。

YMCKやSaitoneなど、あえて当時のゲーム音楽的なピコピコサウンドを使う「チップチューン」という新しい音楽ジャンルも人気。

90年代に大活躍していた当時の作曲家たちは、まだ一部ではあるがいまやコンサートや音大のゲストやインタビューにひっぱりだこになるほど。やっとその功績が認められてきた。

なかでも、小中学校の音楽の教科書に載るほどになった、

『エイトメロディーズ』-Mother-鈴木慶一/田中宏和

(1:05)
『愛のテーマ』-Final Fantasy Ⅳ-植松伸夫

は名曲。どちらも限りなくシンプルだが、やさしくて素朴な音が心に突き刺さる。はじめの何音か聴くだけで涙が出るほど好きな曲だ・・・

ゲームをやってた世代の子どもが成長して文科省に入って載せたのかな?だとしたら・・・よくやった!もっとやれ!

これらの曲はただのBGMではなくて、ゲームに合わせてちゃんとストーリーがあるのもいい。

『エイトメロディーズ』は、ゲーム中、ボスを倒していくことで、失われた「8つの音を集めていく」という遊びの要素と連動してつくられた曲。

音と映像とストーリーが組み合わさった、ゲームというマルチメディアだからできるすばらしい演出だ。8つのメロディーが完成し、主人公の記憶がもどるシーンは感動的(動画1:05~)。

『愛のテーマ』は、FF4のストーリーのテーマがずばり「愛」だから、そのまま作品のテーマソング。

FF4は仲間がバンバン死んだり、裏切ったり、転職?したり改心したり、人間関係のドラマを全面に押し出して、人間どうしの深い「愛」を描こうと工夫した作品。冒険や勧善懲悪が多いRPGとしては珍しい挑戦的なコンセプトであるため、賛否両論があるのもこの作品。

ゲームミュージック入門としておすすめの2曲。


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