YOAKE MUSIC SCENE 2014 レポート&スタディ第6回。今回は
ディスカッション第一部「すぐ外側から見る音楽シーンの未来」
・・・WITH
椎野秀聰(しいのひでさと)
ESP,Vestax創業者
若林恵
雑誌『WIRED』編集長
竹中直純
OTOTOY代表
の、まとめです。重要な情報が含まれていますのでぜひ参考にしてください。
1. 新メディア×開拓者=革新
あるジャンルの低迷を救うのは、新しいメディア・技術の普及と、それを使いこなす天才の登場によるものだという話をしました。
現代では、そのようなムーブメントは起きにくいので、新技術開発や一部の天才に頼る思考は捨て、新しい発想をする必要がある、ということがわかりました。
2. ModificationとBasic Technology
創作や技術開発における、Modification(修正・変更)とBasic Technology(基幹技術)の考え方をみていきました。
完全なオリジナルはあり得ないということを理解したうえで、オリジナルでなくてもよいがネイティヴであれという教えを得ました。
BLUE NOTE RECORDS CEOのドン・ウォズの言葉が印象的でしたね。
これからの音楽活動で大事なことは
・無駄なものを排除して、経営をスマートにしろ
・音楽で大もうけできる時代は終わった。もう一発当てる必要はない。ふつうにくらせるだけ稼げればいい
・クソなレコードをつくらない!!
です。
現代まできて、変化した音楽の在り方、作り方の姿を明らかにしていきました。
ひとり部屋にひきこもってシコシコつくるよりは、多様なジャンルの人たちとの関わりやコラボレーション、
コミュニケーションの中で一体的に音楽が生まれていくようになる、そのポテンシャルが異常に高まってきたということがわかりました。
誰がつくったとか誰がパクったとか、格付け批評や著作権闘争とかやるまえに、音楽をみんなで楽しめるにはどうすればいいか考えようZE!
という思考の流れが見えましたね。
4. 歴史的考察からみる音楽の現状と未来
歴史的、未来学的にみたら、まだまだ文化としての音楽は若いということ、まだまだ無限の可能性があるということがわかりました。
「21世紀は、金(大資本)、組織、グローバル化に頼ったやつはもれなく死ぬ」という警告と、
これからは間違いなく、徹底的にフォーカスされた「個」の時代である、ということが重要な点です。
人間社会は物質的に豊かになりすぎても、それは真の意味で幸福を生むことにはならず、逆に生きる意味の欠乏を見いだす。
そのことから、成熟した社会はアートを育てる傾向が自然であるということを説明しました。
日本は官僚社会がすっかり国を腐らせてしまったので、力を注ぐ対象が若者やアートではなく老人や利権になっており、
さいあく国が滅びるんじゃないかという危惧がありますが、世界の流れは積極的に若いアーティストを育てる方向にシフトしているのが
明らかです。ただ、日本もまだまだ希望はあり、大企業や国がアート支援に取り組んでいる例をいくつかあげました。
それが、ー地方で革命を起こす作曲家ー多胡邦夫さん
と、Red Bull Music Academy Tokyo 2014
http://www.redbullmusicacademy.jp/jp/magazine/red-bull-music-academy-tokyo-2014
です。
以上です。総括すると、すべてのテーマは「作品としての音楽と、人同士のコミュニケーションの一体化」という言葉でまとめられますね。
これからの音楽活動は、いかにコミュニケーションを付加価値としてつけられるかどうかが重要になってくるのです。作品のみのクオリティで争い続ける時代は終わりました。
ファンとの双方向の深い関係性を築き、人生単位で協力して、この腐敗し続ける世界を生き抜いていくことが大切です。一人でがんばっていても死にます。
かなり大量の情報がありますが、これを知っているのと知らないのとでは、これからの活動に雲泥の差がでます。
非公開の第4回、およびより詳しい内容はメルマガで公開しています。
知っているだけで、周囲より飛び抜けることができます。ぜひ活用してください。
次回からは第2部「2014年のアーティストの販売方法」について見ていきますのでお楽しみに。