リバーブの種類と基本的な使い方についておさらいします。
リバーブには大きくわけて2種類あります。
・アルゴリズミックリバーブ
・コンボリューションリバーブ
です。
それぞれの違いは置いといて、アルゴリズミックリバーブは「プレートリバーブ」、コンボリューションリバーブは「ルームリバーブ」のように使い分けられることが多いです。
リバーブは部屋鳴り、残響を再現するエフェクトです。イメージとしては、サウンドの周りに透明な残響のボックスで囲いをつくり、ほかのサウンドの残響と重ねて、リバーブなしのままでは個々に浮遊しているサウンドどおしを、なめらかに溶け合わせていく感じです。
残響を大きくするほど(ボックスを大きくするほど)、音の広がりが大きくなり、大きな会場で演奏しているような豊かな響きを再現することができます。また、リバーブ自体にフィルターをかけることにより、遠くで鳴っている感じや近くで歌っている感じなども再現することができます。
リバーブを使う際に気を付けるポイントは、主に次のようなことがあります。
1. 個々のトラックにリバーブをかけるのではなく、グループバスにまとめてかける(パラレルリバーブ)
リバーブはCPU負荷が大きいので、どんなに高性能なコンピュータでも、全てのトラックにいちいちリバーブをかけていたら重くなってしまいます。
ですので、リバーブはバストラックにかけ、複数のサウンドにまとめてかけるのが基本です。また、リバーブトラックをLとRにわけてステレオにする場合もあります。
2. ショートリバーブとロングリバーブの使い分け
ショートとロングなど、複数のリバーブを使い分けて、残響を再現していきます。
ルームリバーブでは短く小さめの残響を、プレートリバーブでは広めの残響を、パートによって使い分け、バランスよく調整していきます。
3. プリディレイ
リバーブには「プレディレイ」というパラメータがあります。「ms」つまりミリセカンドという単位であらわされることが多いです。これは、サウンドが鳴ってから実際にリバーブが発動するまでの遅延を調整します。
実際の部屋などでは、通常発した音の残響が跳ね返ってくるまでには時間差がありますよね。やまびことまではいかなくても、残響音が耳に届くまでは微妙に時間がかかります。小さい部屋では短く、大きなホールでは長くかかります。
その遅延時間を調整するのがプリディレイです。これにより、どれくらい大きい部屋で演奏しているのかを再現できます。
プリディレイを大きくしすぎると、戻ってくる残響音がほかの音やリズムと競合して不自然な感じになるので注意が必要です。
元の音とディレイ音を左右に分け、左右の位相をずらした効果を利用したエフェクトが、「コーラス」「「フェイザー」や「フランジャー」です。
1秒=1000msです。人間の耳は遅延が30msより小さいと、遅延を認識できず、ひとつの大きなサウンドと認識しますが、30msより大きいと、明確に後れを認識します。ディレイタイムとフィードバックループの速さを調整することで、フェイザーやフランジャーのような効果が得られます。これらはディレイエフェクトの家族なのです。
4. リバーブにもオーディオ処理を
高域をけずると暗い感じ、遠くで鳴っている感じ、低域をけずると明るい感じ、近くで鳴っている感じというように、リバーブにもローパスフィルターやハイパスフィルターをかけることで、残響音の性質を変えることができます。パラメータをいろいろいじってみたり、プリセットの値を分析してみると、残響にもいろいろな種類があることがわかります。