ストリングスで打ち込みを学ぶ―基礎(2)各楽器の音域と役割


ストリングスで打ち込みを学ぶ―基礎(2)各楽器の音域と役割diceworksviolin

前回はストリングスの編成について紹介しました。今回から各楽器の詳細について完結に解説していきます。

 

最初はViolinです。PDFファイルをご覧ください。VIolin

 

調弦(チューニング)と音域に関しては、打ち込みだけでストリングスを扱う人でも最低限知っておいた方がよいでしょう。それによって、生ではありえないフレーズを不自然に鳴らしてしまうようなことを避けられます。

・調弦

低い方から、G-D-A-E(ソレラミ)と調弦します。

・音域

G2-E6です。ストリングスの中で最も広いです。

・特徴と役割

ストリングスの中でもっとも高音を担当します。主にメロディを弾きます。

音域が広く、小型ゆえに運指が楽なので、多様なフレーズを演奏することが可能です。ストリングスの主役と言ってもよいでしょう。

 

次にViolaです。

viola

 

・調弦

低い方から、C-G-D-A(ドソレラ)と調弦します。

Violinの完全五度下であるのが特徴ですね。

・音域

C2-C5です。Violinに比べるとかなり狭いです。

・役割と特徴

ストリングスの中で中域を担当します。

が、調弦にふさわしい音域を演奏するには小さすぎるので、それによってくすんだような独特の音色がでます。

低域から中域までは豊かな音を出せますが、高域は苦手です。甲高く、運指も難しいです。ですのでC5程度までの運用が望ましいです。

 

次にCelloです。cello

・調弦

低い方から、C-G-D-A(ドソレラ)と調弦します。Violaのオクターブ下です。

・音域

C1-G4です。Violinの次に広いです。

・役割と特徴

低音域から中音域まで幅広く弾きこなせます。大きさも豊かな低音を出すのに十分であり、低音はもちろんのこと、高音域も心に響く魅力的な音色が出ます。このような特徴から、ソロアレンジをとられることも多いです。Violinの次に認知度が高いのもCelloでしょう。

 

最後にDouble Bass(Contrabass)です。DoubleBass

・調弦

低い方から、G-D-A-E(ソレラミ)と調弦します。エレキベースと同じです。

・音域

E0-C3までです。実音は譜面より1オクターブ低い音が出ます。

・特徴と役割

原則としてストリングスセクションの低音部を補強するのが役割です。よってCelloのオクターブ下を重ねる(ダブリング)することがほとんどです。ダブルベースという名称はこの役割も表しているわけです。

オーケストラにおいては重厚感を出すのに欠かせない楽器ですが、ポップスではエレキベースやシンセベースがいることがほとんどなので、使われないことが多いでしょう。

 

以上がストリングスセクションの各楽器の主な特徴です。調弦と音域はその楽器の役割と密接に関係しています。リアルな打ち込みに役立つはずです。

ストリングスに限らず、楽器の音域や特徴、構造、性質などを知ることは、自然な打ち込みをするのに役立ちます。自分がよく使っている音源(楽器)についての知識を持ちましょう。


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