打ち込みでストリングスを学ぶ―基礎(5)奏法:その他


打ち込みでストリングスを学ぶ―基礎(5)奏法:その他diceworksviolin

 

 

打ち込みストリングスの講座です。(3)(4)ではロングノート系、ショートノート系の奏法について解説しました。

今回はそれ以外の少し特殊な奏法について見ていきます。ポップスや打ち込みではそれほど使用する機会はないかもしれませんが、一応知識として持っておいた方がよいでしょう。

1.重音奏

2音以上の音を同時に鳴らす奏法です。

2音の重音―ダブル・ストップ

3音の重音―トリプル・ストップ

4音の重音―クオドール・ストップ

ダブル・ストップの例。

2.ハーモニクス(フラジオ)

倍音を出す奏法です。弦をn等分した場所に左手のどれかの指で軽く触れることで、基音の持つ倍音を鳴らします。

ベルのような、フルートのような、ささやきのような繊細な響きが得られます。

フィンガード・ハーモニクスという奏法も紹介していますね。

3.音色を変化させる

スル・タスト sul tasto

―弓を指板の方に近づけて演奏します。柔らかい音になります。

スル・ポンティチェッロ sul ponticello

―弓を駒の方に近づけて演奏します。硬い音になります。

かなり攻撃的な、ロックなサウンドになりましたね。エレキギターみたいな音です。

コル・レーニョ col legno

―弓の背の部分で弾く奏法。弓の木が痛むので奏者はやりたくない。


コン・ソルディーノ con sord.

弱音器(sordino)を付けて演奏する。ミュートしたいときや音量を下げたいときに弱音器をつけます。

 

 

以上がその他の奏法です。(3)ー(4)ではストリングスの主な奏法をさらいました。これくらいの基礎知識があるだけで、ストリングスの打ち込みはかなりやりやすくなるはずです。

打ち込みストリングスの講座、基礎編はひとまず以上で終わりです。編成、各楽器の音域と役割、奏法の基本的な知識について見てきました。打ち込みで音楽をつくる人なら最低限これくらい知っていれば大丈夫ではないでしょうか。具体的に打ち込むときのテクニックはまた別の機会に。ありがとうございました。

質問、感想、要望などありましたらコメントにお寄せください。


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