MusicRaderに「コンピューターミュージックのA to Z」という便利な記事があります。今回は「トランジエント」などわかりにくい単語も多い「T」の項目を紹介。重要なところだけ簡易翻訳してみます。
オリジナル記事題名は[The A to Z Computer Music]。より日本語風に言えば「電子音楽のいろは」ですね。
電子音楽つまりコンピューターミュージックで使われる用語や概念をアルファベットごとにまとめた記事です。意味の確認や整理にどうぞ。今回は「T」つまり「た行」です。
テイル:Tail
リバーブやディレイなどのエフェクトの残り香のこと。
タップテンポ:Tap Tempo
「タップボタン」(TAPと表示)をタップすることで、テンポを設定できる機能。シンセやサンプラー、リバーブの中にはこの機能を備えたものがある。
テープ・ディレイ:Tape Delay
アナログテープレコーディングを用いてたオーディオプロダクション初期の時代のスタジオエフェクトを模したディレイエフェクト。Roland Space Echo, Watkins Copicat, EchoSonicなどが独特のサウンドでニーズが高い。アナログテープ独特のノイズ感やざらつき感などの質感を再現したエフェクトのひとつ。
テンポ:Tempo
BPM(Beats Per Minuites)で示される音楽の測定単位のこと。ダンスミュージックではDJプレイに厳しい一貫性が求められる。ハウスではだいたい120-128くらいの間、ドラムンベースでは160-180の間、ダブステップでは140くらいが相場。
スレッショルド:Threshold
特定のパラメーター処理が施される値の設定。たとえば、コンプレッサーではスレッショルドで設定したボリューム以上の音を圧縮する。ゲートエフェクトではスレッショルドで設定したボリュームレベル以下の音信号を消す。
タンバー:Timbre
「音色」のこと。音色決定の要素は、周波数、エンヴェロープ、歪みなどがある。
暗い、豊か、温かい、滑らか、きらきらなどの形容詞であらわされることが多い。シンセサイザーの音つくりの際に用いられる専門用語のようにも思えるが、どの音に関しても言及できる一般用語でもある。
タイムストレッチ:Time Stretch
オーディオリージョンやサンプルを引き延ばしたり縮めたりすること。オリジナル波形に影響を与えるのでピッチが変わるが、それを利用した効果も狙える。
トランジエント:Transient
音の鳴り始めの性質。スネアドラムのアタック感、ピアノのハンマー音、ギターのストローク音など、楽器を演奏した瞬間の波形の状態および聴感上の性質のことを言うことが多い。トランジエントを処理するエフェクトもある(Logic付属のEnveloperなど)。
トランスポート:Transport
再生、録音、早送り、早戻しなどのDAWのプレイバックセクションに含まれる機能をひっくるめてトランスポート系の機能などという。
トランスポーズ:Transpose
MIDIノートやオーディオファイルのピッチを変更すること。転調。MIDIノートは手動入力またはトランスポーズ機能を使って、オーディオリージョンはピッチシフト専用プラグインなどを使って行う。
トレモロ:Tremolo
アンプにLFO(Low Frequency Shifter)をかけて音量を小刻みに大小変化させる奏法を再現したエフェクト。ゆらゆらする感じ。
トライアングルウェーブ(三角波):Triangle Wave
サイン波、ノコギリ波、矩形波と並ぶシンセサイザーの基本的なオシレータ波形。サイン波と矩形波の中間の性質を持つ。サインはよりは固く、矩形波よりはやわらかい。ベースやリード、パーカッションなどの音つくりに使える。
トリガー:Trigger
シンセやサンプラーから音を出力させること。ノートボリューム、ピッチ、オン/オフのタイミング情報などのMIDI情報を送信できるMIDIキーボード、エレドラ、シーケンサーなどのMIDIソースの入力信号で発動させる。要するに電子楽器に音を出させる現象。
トリム:Trim
ボリュームやゲインコントロールの別称。レコーディング環境など、曲間の最大音量などを調べているような場合の文脈で、ミキサーのインプットゲインなどに対して用いられることが多い。音量をTrim(手入れ)するという状況的な意味。
チューブ:Tube
真空管のこと。ヴァルブともいう。ミキサー、マイク、マイクプリアンプ、ギターアンプなどのオーディオ製品に使われ、ソリッドステートトランジスタ製のオーディオ製品よりも、特徴的な温かみのある音をつくる。真空管サウンドを模したソフトウェアエフェクトは多くあり、真空管サウンド構築専用のプラグインもある。
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