基本的なスケールと、スケールから派生するモードについて整理してみます。
1.メジャースケールから派生するダイアトニックコードと基本スケール
メジャースケール(r,M2,M3,P4,P5,M6,M7)を理解していることが前提となる。
「名称、基本コード、インターバル、使えるテンション、アヴォイドノート」をセットで覚える。
参考ページ
I CM7-イオニアン (r,M2,M3,P4,P5,M6,M7)-9th,(11th),13th
II Dm7-ドリアン (r,M2,m3,P4,P5,M6,m7)-9th,11th,13th
III Em7-フリジアン (r,m2,m3,P4,P5,m6,m7)―(9th),11th,(b13th)
IV FM7-リディアン (r,M2,M3,+4,P5,M6,M7)-9th,#11th,13th
V G7-ミクソリディアン (r,M2,M3,P4,P5,M6,m7)-9th,(11th),13th
VI Am7-エオリアン (r,M2,m3,P4,P5,m6,m7)-9th,11th,(b13th)
VII Bm7(-5)- ロクリアン (r,m2,m3,P4,-5,m6,m7)-(9th),11th,b13th
これらは、Cメジャースケールの開始音をずらしただけにすぎないので、簡単に覚えられる。たとえば、DドリアンはCメジャースケールをDから開始(Dをルートに)したということ。
2.リアルマイナー・スケールから派生するダイアトニックコードとスケール
メロディックマイナー・スケール
上昇形:(r,M2,m3,P4,P5,M6,M7)
下降形:(r,M2,m3,P4,P5,m6,m7)
を理解していることが前提となる。
リアルマイナー・スケールとは、メロディックマイナー・スケールの上昇形を取り出したもの。すなわち
(r,M2,m3,P4,P5,M6,M7)
である。このスケールから派生するダイアトニックコードとスケールは次の通り。
I CmM7-リアルマイナー(r,M2,m3,P4,P5,M6,M7)-9th,11th,13th
II Dm7-ドリアンb2 (r,m2,m3,P4,P5,M6,m7)-(b9th),11th,13th
III EbaugM7-リディアン#5 (r,M2,M3,+4,+5,M6,M7)―9th,#11th,(13th)
IV F7-リディアン7th (r,M2,M3,+4,P5,M6,m7)-9th,#11th,13th
V G7-ミクソリディアンb6 (r,M2,M3,P4,P5,m6,m7)-9th,(11th),(13th)
VI Am7(-5)-オルタードドリアン (r,M2,m3,P4,-5,m6,m7)-9th,11th,b13th
Ⅶ B7(b9,b13)-オルタード (r,m2,#2,M3,+4,m6,m7)-b9th,#9th,#11th,b13th
この中でもっとも重要なのはオルタードなので、まずはこれを覚えよう。
次に、ドミナントコード上でよく使われるリディアン7th、ミクソリディアンb6を覚えたい。
その他のスケールは比較的使う機会が少ない。
メロディックマイナースケール7番目から並べたスケールは、主音以外のすべての音に♭がつく(r,m2,m3,-4,-5,m6,m7)。これはスーパーロクリアン(ロクリアンのP4が♭したもの)といって、メロディックマイナー・キーの7番目のコード(m7b5)上で使えるスケールというわけだが、多くの場合このスケールの音程は(r,m2,#2,M3,+4,m6,m7)と解釈し、基本コードをドミナント7thに変更する。これをオルタードスケールとする。メロディックマイナーの世界観から、ドミナント7thが支配する別の世界観へ移行すると捉えてもよい。
ロクリアン・フラット・フォースケールともいう。
http://blog.livedoor.jp/qqkyokan-riron/archives/4140448.html
・覚え方のヒント
一見ややこしいが、基本スケールの特徴が頭に入っていれば、実はそれとの比較で容易に導き出せる。名前に注目しよう。
リアルマイナーは、メロディックマイナー上昇形と同形なので基礎知識。
ドリアンb2
リディアン#5
リディアン7th
ミクソリディアンb6
これらは、その名の通り、基本スケールの1音だけに変化記号がついただけ。
オルタードドリアンは、ドリアンのP5とM6が半音下がったもの。
肝心のオルタードだが、これは次のように覚えることができる。
オクターブ内、r,M2,P4,M6を想定し・・・
rはそのままで、
M2,P4,M6を左右(b,#方向)に「分割する」
と、b2,#2,M3,+4,m6,m7が現れる。
たとえば「Cオルタード」なら、
ルートをCに設定したら、
D,F,Aをb,#方向に分割する。
と、Cオルタード・スケール「C,Db,Eb,E,Gb,Ab,Bb」が出現する。
ここでいう「分割する」には別に理論的に深い意味はない。単に覚え方にすぎない。左右に「引き伸ばす」とかでもいい。
使い慣れると「スケール名、基本コード、インターバル、テンション、アヴォイドノート」が響きとともにパッとイメージできるようになる。