ミュージシャンの起業と融資


ミュージシャンの起業と融資diceworks引き続き、2013年11月16日に開催されたTOKYO BOOTUP Conference Dayの内容公開です。

今日は

インディーズミュージシャンの起業と融資

です。講師は若い税理士の方でした。

インディーズミュージシャンと、「起業」「融資」という言葉は、なかなか結びつきにくいですよね。

でも、ミュージシャンだってアーティストだって、事業モデルをプレゼンすれば、融資をしてくれる可能性はあります。

わたしが予想していたセミナーの内容は、

「ミュージシャンとしての経験やスキルを活かして、何かエンターテイメント系の事業を起こしませんか」

ということでした。つまり、ミュージシャン本人が、たとえばイベント業者やフェスのオーガナイザー、プロデューサー、

エンジニア、音楽SNS管理者、音楽アプリ制作者、音楽講師などとして個人事業でもスモールビジネスでもはじめて、それぞれの個性を活かしたサービスを展開するようになれば、

業界が活性化していくのではないか、というようなことでした。実際、そのような動きがいたるところで起きてますしね。

しかし、実際の内容は、

「バンドをビジネスとして成り立たせよう」

という、超ダイレクトなものでした。

つまり、ふつうにバンド活動やライブ活動をして、音源販売やライブ・グッズの収益で音楽活動をまわしつづけること自体を、中小企業活動として法人化してビジネスにするというアイデアです。

ふつう、ある程度影響力がついてきたら、スカウトでもオーディションでも通して事務所に所属し、運営やプロモーションを任せるのが今ままでのやり方でした。

それが、このやり方では音楽事務所やレーベルではなく、融資団体に自分を売り込むということです。

起業プレゼン・事業提案・創業計画書=オーディションなのです。

音楽活動だって収益が発生すれば事業とみなされますから、見込みのある事業だと判断されれば融資してくれるわけです。

なんという裏技!

でも、そんなのできるの?と思いますよね。次のような疑問が浮かびます。

・本当にミュージシャンの音楽活動そのものに融資してくれる団体があるのか
・もし返せなかったらどうなるのか

などです。

これに関しても、システム自体は整っていて、できない理由がないんです。

まず、紹介されていた融資団体は「日本政策金融公庫(JFC)」・・・なんと国の団体です。

国による公的な支援ですから、若い人や実績のない人でも応援してくれる、ふつうの起業家にとってもありがたい制度です。

国の事業ローンが、反体制を歌うロックミュージシャンに融資なんてするのか?と思いきや・・・

なんと、「JFCもビジネスだから、お金を貸したいのが本音。とくにアーティスト系の活動への融資は事例がないし、起業相談自体がない。

新しい取引相手としてアーティスト系の活動が注目されている」

というのです。

丁寧なことに、創業計画書を書く際のポイントまで教えてくれました。

・CDを手売りしたなど、地道な音楽活動をしていたことをアピールしてはいけない

これは、がんばって売り上げを出していることをアピールしてはいけないのは変だと思いますが、これはダメなんです。なぜなら、手売りのようなルーズな収益活動は、

「申告していない」と判断される可能性があるから、マイナスポイントになるのです。

・創業資金は「親や友人に借りました。毎月ー万ずつ返します。」もダメ

親や身内などから資金を借りて、毎月返していく計画です・・・まじめそうで、安全そうで、いいんじゃないの?と思われそうですが、これもダメです。

なぜなら、「自己資金じゃないじゃん」とみなされるからです。自己資金じゃないとダメらしいですね。

じゃあ、どのように書けばいいのかというと、「出世払いで返す」でいいんだそうです。驚きですね。

◇もし、返せなかったら・・・

さて、もしバンドがうまくいかずに返せなかったらどうなるのか。

取り立て?

訴訟?

どんなこわいことがおこるのか・・・

気になりますよね。その恐怖がネックとなり、起業ができません。

税理士の方はいいます。

「ちゃんと申告すれば大丈夫です。」

つまり「返せません」と言えばいいらしいです(!)

なんと、返済がきつかったらその都度きちんと申告をすれば、「仕方ないね」ですむそうです。

しかし、返さなくていいわけではありません。返済を「延期」する措置をとり、これが最長で7年まで可能だそうです。

国の団体だから、そんなに強引な取り立てはできない、というわけですね。

そして、彼らが欲しいのはカネではなくて、自分と周囲を納得させるだけの「理屈」だそうです。

つまり、焦げ付いたらならそれなりの「理由」を提示しないと、自分たちの責任が問われるので、いやだと。

だから、逃げ場となる正当な「理由」がほしい。それを明確に提示してやれば、「わかりました」といってスムーズに通るといいます。

あきらかに、「こりゃ無理だ。返せない」となるようなまっとうな理由をこちらから提示すればいいのです。

それも、自然災害とか病気とかの強烈な外部要因が必要なわけではなく、

「一生懸命やったけど、だめでした」みたいな感じで、「しょうがないね」と思われるような理由であればいいそうです。

すごい国ですね、日本は。

そんな可能性もあるわけです。

ただ、いままでにアーティスト系の方々が実際にJFCの融資を受けた事例がない。だから、お互いよくわからないところが多く、不安であると。

だから、税理士の方も、一緒に成長していきたいと思っている、応援したい、と言っていました。

ただ、肝心のミュージシャンは、会場にあまりいませんでした・・・

今日は以上です。

音楽活動の新たな側面が見えたと思います。やろうと思えば受けられるんですよ、融資。

ただ、本質的に、アート活動をビジネスモデルとしてシステム化するのは、どこかでひずみがでるだろうなと、ぼくは思っちゃいますね。

それこそ完全に商業的モデルに特化しないと、成立しないでしょう。

融資する人は「パトロン」ではなく、あくまでリターンのあるビジネスとしてやるわけですからね。

実際にJFCから融資を受ける人はいるのでしょうか。

「おれやる!」という方は、ぜひ教えてくださいね。

おわり。

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