作曲をはじめ、打ち込みをはじめたはいいものの、現代はひとりプロダクションが当たり前の時代、譜面を書いているだけで音楽制作は済みません。コンピュータで音楽をつくっている以上、音源制作に関する行程は一通り見えていることが前提。
とくにサウンドデザインは、もはや作曲の一部と考えられ、譜面にも「シンセサイザーでこういう音つくって」などと指示されることもあります。「楽典にないわよ」「日本語で書くなんて」などとは言ってられません。作曲者は自分の言葉で、楽想の意図を伝える権利があるからです。
譜面に記載する音韻情報だけでなく、音つくりからパフォーマンス、ミックスからマスタリングまで含めた総合的な視点が、現代の作曲者、音楽クリエイターには求められています。
とはいえ、いきなりコンピュータミュージック全盛時代に投げ込まれた時代錯誤の古典派作曲者たちは、デジタルデバイスを用いた「さうんどでざいん」になかなか慣れることができません。
そんな現代によみがえる全ベートーヴェンたちに、海外にこんな記事があったので意訳翻訳して紹介しましょう。
音楽ニュースサイト「musicrader」の「サウンドデザインスキルを改善する7つの方法」です。
1. ピッチで遊べ!
もっともてっとりばやくサウンドに変化を起こすには、ピッチを変化させることです。
すべての音色のピッチを上げたり下げたりして遊んでみます。
もともとの音色から大きく変化していくうちに、新たな発想が浮かぶかもしれません。
2. 順番を変えろ!
これもてっとりばやく音を変化させる定番の方法です。プラグインエフェクトの挿す順番を変えてみましょう。オーディオ処理のプロセッシング順が変わることで、出音の結果が変化します。ディストーションはリバーブに影響を与えますし、ピッチシフターはコンプレッサーに変化を起こします。ボコーダーもリバーブエフェクトになんらかの変化を起こすでしょう。
3. ルールをやぶれ!
ふつうの音つくりに飽きてきたら、時にはセオリーを破り、通常ありえないエフェクトの使い方や、ちょっと極端な設定を試してみることです。ボーカルプロセッシングをドラムにかましたり、ベースエンハンサーをシンセバスにつっこんだり、ベースの帯域だけ20dBあげてみたり・・・EQのレぞナンスをマックスまで上げる、ところかまわずディストーションをかける、などなど、ルールを破った使い方を試してみるのです。エフェクトの順番もいじってみましょう。
ただこの方法をやっているときは、想定しない音量変化やクリッピングが起きやすくなりますので十分注意しましょう。
4. 音をキーに合わせよう
プラグインをいじることで意外なサウンドがつくれたら、曲のキーにあうようにピッチを調性しましょう。ピッチ修正ソフトはMelodyneが有名です。
ピッチは倍音成分を変化させることで変えることができます。スペクトラムアナライザで周波数帯を分析して、ピッチシフト系のエフェクトで倍音を変化させることでも、マニュアルにピッチを変更できます。
リバーブやディレイを使って、少し非現実的でおもしろい変わった音つくりをしてみましょう。
7. ブーストを積極的に!
EQやフィルターでは特定の帯域をカットしたりブーストしたりできますが、多くのエンジニアはたいてい、より「安全な」サウンドつくりのために「ブーストよりはカット」を信条にしています。確かに、優等生な楽曲ならばそのルールを守るしかないでしょう。しかし、クリエイティブでいたいならそんなルールにいちいちしたがってはいられません。積極的に好きなところをブーストしていきましょう。プラグインでも、ハードウェアEQでも、恐れずにブーストです。
いかがでしょうか。音つくりがうまくなるには、セオリーを学ぶのも重要ですが、ときどきこうやって、おきまりのルールをやぶって遊んでみることが大事なんですね。
本記事はこちらです。けっこうわたしの解釈を加えて「超訳」しているので、元の意味を確かめたい人は原文にあたってください。