レトロRPG風テーマソング


レトロRPG風テーマソングdiceworks

IMG_1762

 

プロジェクトソングNo.1

「レトロRPGテーマソング」スタイルの作曲です。

mp3ファイル

10.21 2014 RPG Main Theme

MIDIファイル

10.21.2014 Retro-Style RPG Main Theme MIDI

Logic Pro X プロジェクトファイル

10.21.2014 Retro-Style RPG Main Theme

筆者はゲーム音楽から作曲について多くのことを学んできました。

ファンタジー系やRPG系のテーマソングは、少ない音数ながらもきちんと作品の雰囲気を伝えていて感動を受けました。音質はチープなくせに、そのシンプルでクラシカルなコード進行は、しっかりとゲームにあった音楽世界を表現しているのです。小さいけれどよくできた、かわいいミニチュアのお城の手触りを思い出すような、懐古の情をかきたてる曲調がGoodです。 😎

このスタイルには次のような特徴があります。

・音色

ファミコンやゲームボーイの音源のように、デジタルでローファイな感じ。ブラスやストリングスをシンセで再現しようと四苦八苦もがいた跡が感じられるような音色。

・コード、アレンジ

当時のスペックでは、3音+ノイズという厳しい制約でつくらねばならなかった状況。だから限界まで音を削り、しっかりコードとメロディを組んで聴かせる必要があった。メニュー画面で放置されても音楽が終わらないようにループする構成。

・リズム

パート数をできるだけ少なくしたいので、基本的にキックとスネアのみ。スネアが三連で「タッ、タタタタッ、タ」のように刻んでいく。(曲ではアクセントでシンバル、ティンパニなども少し使っています。)

・ベース

ゲーム音楽ではおなじみのサイン波系のシンプルなベース音。

・メロディ

ブラス系の音色で勇敢さを出す。リアルなサンプリング音源は使わず、シンセで安っぽい音にする。

・バッキング

ブラス系の音色でリズムに合わせて「パッ、パパパパー」という感じに鳴らす。メロディの隙間に合いの手を打つような感じで。

・パッド

コーラス系、ストリング系の音色でふわりと重ねる。

・その他

現代的な解釈としての遊び心―レイヤリングによる音色調整やサンプル素材を少しだけ。

ヴェロシティやエクスプレッションもあまり派手にいじらず、あえてベタッとした打ち込みっぽさを残しておくと、レトロゲームのような雰囲気になる。

 

以上が基本的な構造です。限りなくシンプルに、あえてチープなつくりにするのがポイントです。

ここではすべてLogic Pro Xの付属音源で作りました。サードパーティ製ソフトウェアは使用していません。

当時の制作側としては「厳しい機材制約の中で、限界までクオリティを上げる」という態度があったわけですが、

ここでは逆に「豊富な音源の中から、最低限必要なレベルの素材に絞って表現する」という発想です。

といっても、単にチープにするとか手抜きするとかいうわけではなく、きちんと音楽として成り立っていていることが重要です。

音源も音色も豊富な現代では「いかに音を足して作り込むか」ということが焦点になりがちですが、

このような「あえて制約を設けて、必要最低限まで音をそぎ落としていく」発想も、時には必要です。

前者の作業は「加算プロセス」。これには終わりがありませんが、

後者のやり方は「減算プロセス」。音を減らしていくので、終わりどころが見えます。加算プロセスでは埋もれていた、どうしても消せない音、大切な音を再発見できるのです。これは、とてもGoodな作曲の勉強になります。

”音楽”としての意味性は保ったまま、それを構成する要素の質を落としていく。落としどころが肝要です。

現代の技術で過去の作風を再現する。こういうコンセプトの場合、現代に生きるわたしたちがその時代の作風をリスペクトして作るわけですが、ただ模倣するのではなく、現代的な解釈やアレンジも混ぜることが多いのです。具体的には、当時にはできなかった表現を打ち込みで入れたり、少しだけ音を現代に近づけたり、などですね。これは、今を生きるわたしたちがつくっていますよー、というメッセージなのです。

そうすると、ただのマネでなくて、過去の作風を尊敬しつつも、次世代へつなげるという意思がこもったものになりますね。そうするとなおGoodです。だから、筆者も少しそういう部分を混ぜました。

以上がレトロRPGスタイルの作曲です。ドット絵のキャラクターたちがかわいく動いているようなイメージを浮かべながら、あなたもチャレンジしてみませんか。

コメント、感想などお寄せくださると嬉しいです。

 

 

 

 


admin

コメントを残す